ピリカ チカッポ

知里幸恵と『アイヌ神謡集』

石村博子著/岩波書店 2022年

ピリカチカッポは、「美しい鳥」の意。

知里幸恵というアイヌの少女がいた。1903年北海道に生まれ、祖母からユカラ(叙事詩)などアイヌ文化を伝えられる。アイヌ語学の始祖金田一京助と出会い、才華を見出され、18歳の時東京へ。1922年9月18日、持病の心臓病が悪化して死亡。享年19。(帯より)

明治政府の同化政策の中で言葉も文化も否定された時代に、知里幸恵は、どんな境遇においてもアイヌの魂と誇りは持ち続けるのだとの思いで、神謡集を書き綴った。
その人生についてのノンフィクションです。

登別の知里幸恵銀の滴記念館に行きたくなった。
『アイヌ神謡集』も改めて読んでみよう。違った見方ができるような気がする。
知里幸恵さんは、自分が伝承したそのままの言葉で書き写したわけではない。何度も校訂を重ねているのは、正確な記憶をたどったからではなくて、納得のいくように再話したからではないかと思うが、どうなんだろう?