ネガティブ・ケイパビリティ

副題:答えの出ない事態に耐える力

帚木蓬生著/朝日新聞出版/2017年

著者は小説家であり、精神科の臨床医。

筆者によると、ネガティブ・ケイパビリティとは、「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」、あるいは、「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力」のこと。

第一章 キーツの「ネガティブ・ケイパビリティ」への旅
第二章 精神科医ビオンの再発見
第三章 分かりたがる脳 セラピー犬、心くんの「分かる」仕組み マニュアルに慣れた脳とは? 分かりたがる脳は、音楽と絵画にとまどう ほか
第四章 ネガティブ・ケイパビリティと医療
第五章 身の上相談とネガティブ・ケイパビリティ
第六章 希望する脳と伝統治療師 明るい未来を希望する能力 楽観的希望の医学的効用 山下清を育んだもの 疼痛におけるピラセボ効果 ほか
第七章 創造行為とネガティブ・ケイパビリティ
第八章 シェイクスピアと紫式部
第九章 教育とネガティブ・ケイパビリティ 現代教育が養成するポジティブ・ケイパビリティ 学習速度の差は自然 解決できない問題に向かうために ほか
第十章 寛容とネガティブ・ケイパビリティ 現代のユマニスト・メルケル首相 不寛容のトランプ大統領 戦死者の言葉『きけわだつみのこえ』 為政者に欠けたネガティブ・ケイパビリティ
おわりに・・・再び共感について 共感の成熟に寄り添うネガティブ・ケイパビリティ 

難しい概念です。
けれども、追い詰められたものの身になれば、涙が出るほどうれしい、すくわれた思いになります。