いぬときつねのたび

岩手県(いわてけん)のむかしばなし

 ある とき、いぬと きつねが、いっしょに たびに でました。あるきながら、きつねは、
「おれは、せんり さきの ことも うらなえるし、にせんり さきの ことも わかるんだぞ」と じまんしました。
いぬが、
「ふうん。そうかい」と かんしんすると、きつねは、
「そうだぞ。それに、おれは にんげんを だますことが できるけど、おまえは にんげんの いう ことを きくばっかりだ。だいいち、おれは かみさま なんだ」と いいました。